パリエットの併用注意や飲み合わせについて解説

パリエットとの併用・飲み合わせに関する注意点

 

医薬品のなかには、併用禁忌や注意など飲み合わせに注意が必要なものがありますが、パリエットもそのひとつです。そこで気になるのは、自分がいま飲んでいる薬との飲み合わせではないでしょうか。

 

ここからは、パリエットと併用することが多い医薬品と、パリエットの併用禁忌・注意医薬品を見てみましょう。

 

目次

 

パリエットと併用禁忌の医薬品について

 

パリエットには2つの併用禁忌(併用NG)の医薬品があります。

 

一部の抗HIV治療薬

 

  1. アタザナビル硫酸塩(医薬品名:レイアタッツ)
  2. リルピビリン塩酸塩(医薬品名:エジュラント)

 

これらの医薬品に関しては、併用禁忌となっています。もし併用してしまうと、パリエットのプロトンポンプ抑制作用によって胃酸が少なくなり、薬剤が胃の中で溶けにくくなって、効果がでにくくなることがわかっています。

 

パリエットとの併用・飲み合わせに関する注意点

 

パリエットとの併用禁忌薬については解説しましたが、他にも併用「注意」となるシチュエーションや医薬品もあります。「注意」なので禁忌ほどではないのですが、該当する場合はパリエットの服用は慎重に行う必要があります。

 

まずは年齢やシチュエーションごとに併用注意となる事例を押さえましょう。

 

  1. パリエットの過敏症(アレルギー・アナフィラキシーなど)を起こしたことがある人
  2. 肝障害がある人
  3. 高齢者

 

これらの事例に当てはまる場合は慎重投与となります。自己判断は危ないので、医師の診察を受けましょう。

 

次に、パリエットと併用注意に当たる医薬品についてです。

 

薬剤名など 何の症状に利用されるか 併用のデメリット
ジゴキシン、メチルジゴキシン(ジゴシンなど) 狭心症心房細動 パリエットの胃酸分泌作用によって、ジゴキシンが分解しにくくなり、血中濃度が上がりやすくなる。
イトラコナゾール、ゲフィチニブ(イトリゾールなど) 真菌剤 パリエットの胃酸分泌作用によって、イトラコナゾールなどの血中濃度が下がり、作用が低くなる。
水酸化アルミニウムゲル、水酸化マグネシウム含有の制酸剤 胃薬(制酸剤) パリエットの血中濃度が下がりやすくなる(効果が落ちる)
メトトレキサート(リウマトレックス) 関節リウマチ 原因は不明だが、メトトレキサートの作用が下がる。

 

上記のなかで特に注意したいのが「制酸剤」です。制酸剤とはつまり「胃酸をコントロールする医薬品」ということなので、パリエットと同じ胃薬の一種ということになります。つまり、パリエットと併用すると都合の悪い胃薬があるということです。

 

アルミニウム・マグネシウムの影響|認知症のリスクあり?

 

詳しくは、↑の記事をご覧ください。

 

パリエットと併用して問題ない医薬品はどれ?

 

パリエットの併用禁忌・併用注意しなければならない薬はわかったけれど、それらの薬を服用しない人にとってはあまり興味のない話だったかもしれません。ここからは、パリエットと特徴が似ている医薬品について解説します。また、利用者数の多い医薬品についても、パリエットとの飲み合わせが気になるところなので、見てみましょう。

 

ガスター、アシノンとの併用は?

 

ガスターは、成分名をファモチジンといい、「H2ブロッカー」と呼ばれる胃薬のひとつです。胃壁細胞にあるH2受容体をブロックすることで、出過ぎた胃酸をコントロールします。処方薬だけでなく、「ガスター10」として市販されていたりもします。同じくアシノンもH2ブロッカーに所属しています。

 

ただし、胃酸が出るメカニズムの面から見ると、パリエットとガスター併用はおすすめできません。胃酸が出る仕組みは

 

ヒスタミン → H2受容体 → プロトンポンプ

 

という流れによって作られています。この中間に位置するH2受容体をブロックすることで、プロトンポンプが減少するというわけです。とはいえ、H2受容体だけがプロトンポンプを動かしているのではありません。H2受容体以外にも、アセチルコリンやガストリンがあり、プロトポンプの働きを完全に止めることはできません。

 

そのため、胃酸の出過ぎをおさえたいなら、パリエットのほうが高い効果を発揮します。いっぽうガスターやアシノンの効果はパリエットほどではありません。このふたつを併用したとして、パリエットがプロトンポンプを働きを止めてしまえば、ガスターの作用は無意味になってしまいます。

 

なお、ガスターとパリエットは併用すると保険がきかなくなる点も気を付けましょう。これは、保険規約外であるためです。

 

これらの理由から、パリエットとガスターは併用しないほうが良いでしょう。まず、ガスターだけを服用してみて効果があればそのまま継続、効果がなければガスターは中止してパリエットに切り替えることが多いです。

 

タケプロン、ネキシウム、オメプラールとの併用

 

タケプロン、ネキシウム、オメプラールはプロトンポンプ阻害薬のひとつなので、パリエットと同じ仲間です。薬成分こそ違いますが、それ以外の作用するしくみはパリエットと変わりありません。

 

併用することによる弊害はありません。ただし、どちらもプロトンポンプ阻害薬であるため、併用する理由がないといえるでしょう。服用するなら、パリエットかタケプロンなどのいずれかに決めて、思ったような効果が出ない場合や、副作用が出るなど薬が合わない場合は、もうひとつの薬に切り替えると良いでしょう。

 

薬の効き目には個人差がありますが、パリエットのほうがタケプロン、オメプラールより効果が高いようです。もし、今タケプロン、もしくはオメプラールを服用していて、効果に疑問を感じているとするなら、パリエットに切り替えて様子を見ることをおすすめします。

 

ネキシウム(成分名:エソメプラゾール)の方は、パリエットと同じプロトンポンプ阻害薬ではありますが、2011年に販売されたばかりの新しい医薬品です。パリエットやタケプロンより後に販売された医薬品です。新しい医薬品なので効果が高く、パリエットとタケプロンで効果がないなら、ネキシウムを試してみるといった流れになります。併用することはほぼないので、併用による影響を心配する必要もないといえます。

 

レバミピド(ムコスタ)との併用は?

 

ムコスタは主成分をレバミピドといいます。パリエットと併用したとしても、副作用は起こりにくく問題ないと考えられています。

 

ただし、パリエットのほうがずっと効果が高いので、効果の弱いムコスタを併用する意味はありません。胃潰瘍や逆流性食道炎などの治療中であるなら、パリエットだけを服用していれば問題ないでしょう。

 

ムコスタは効果は小さいですが副作用は起こりにくいというメリットがあります。もし、ロキソニンなどを服用中で、なおかつ胃潰瘍予防をしたいと考えているなら、ムコスタを服用すると良いでしょう。

 

その他の胃薬との併用は?

 

パリエット以外のプロトンポンプ阻害薬(タケプロン、ネキシウムなど)との併用はあまり意味がなく、ガスターとの併用もおすすめできないことはすでに解説しました。それでは、その他の胃薬はどうでしょうか?

 

胃薬にはいろいろな種類があり、「胃酸を抑える薬」「胃の動きを活発にする薬」「胃の粘膜を保護する薬」などさまざまなものがあります。なので、パリエットとの相性の良し悪しは相手の胃薬のタイプによるのです。

 

ここでは、代表的な胃薬をいくつか挙げてパリエットとの相性を見てみます。

 

薬品名

相性

解説

ブスコバン

★★

胃けいれんを抑える薬。市販薬の場合はマグネシウムが入っていることがあるのであまり相性は良くない。マグネシウムがないタイプであれば、胃けいれんがある際は併用可。

エクセラーゼ

★★

消化酵素配合薬。主に食べ過ぎのときに飲んで消化を促す薬なので、パリエットと併用する意味なし。

ガスモチン

★★

胃腸の動きを活発にする薬。こちらも食べ過ぎのときに飲むことが多く、パリエットとの併用はあまり意味がない。

マグミット

酸化マグネシウム。パリエットと併用注意なので相性は悪い。

 

このように、パリエットと相性のいい胃薬は実はあまりありません。もし胃潰瘍や逆流性食道炎などの治療でパリエットを使用するなら、あまり他の胃薬とは併用しないほうがいいでしょう。

 

バイアスピリン・ロキソニンとの併用は?

 

バイアスピリンやロキソニンとは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)という医薬品のひとつで、バイスピリンはアスピリンのジェネリック医薬品です。痛みをしずめる作用があり、昔からある市販薬の「バファリン」もアスピリンです。

 

  1. ロキソニン
  2. ボルタレン
  3. インドメタシン
  4. バファリン
  5. イブプロフェン

 

これらはすべてNSAIDsです。ドラッグストアやテレビCMなどで見覚えがある人も多いでしょう。

 

このように広く出まわっている医薬品なので、なおさらパリエットと併用して良いか気になるところです。結論としては、バイアスピリンやロキソニンその他のNSAIDsとパリエットを併用しても問題はありません。医療機関でも同時に服用するよう処方箋がでることもあります。

 

パリエットとアスピリンをはじめから組み合わせた医薬品もあります。これは「タケルダ配合錠」という医薬品名で販売されています。そもそも併用に少しでも問題があれば、このような医薬品は販売できないでしょう。

 

ワーファリンとの併用

 

ワーファリンは、成分名をワルファリンといいます。抗凝固剤のひとつで血液を固まりにくくする作用があり脳血栓症や心筋梗塞、心房細動などの治療に使用されます。

 

ワーファリンは、併用注意薬が多いことが特徴です。

 

  1. NSAIDs(アスピリン、インドメタシン、イブプロフェンなど)
  2. 一部の抗うつ剤
  3. 高脂血症用剤
  4. 一部の抗リウマチ剤
  5. 一部の抗生物質

 

など

 

上記は併用注意薬の一部ですが、これだけでもじゅうぶん多いと感じますね。そうなると、パリエットの併用についても問題ありでは?と思ってしまいそうです。

 

ところが、意外なことにワーファリンはパリエットと併用しても問題ないのです。つまり、併用注意薬にはあたらないということです。パリエットとワーファリンを併用すれば、それぞれの効果が期待できるというわけです。

 

しかし「パリエットは併用注意薬に含まれないから安全」といわれても、なんとなく不安だと感じるなら、医師のアドバイスをうけるのも良いでしょう。

 

それより注意すべきなのは、健康食材でもある納豆や、ビタミンKが含まれるサプリメントです。健康のためにと食べている人も多い食品ですが、ワーファリンの働きをジャマするため、食べないようにしてください。

 

アレグラ、ザイザルなどとの併用

 

日本の国民病ともいえる花粉症の薬に、アレグラやザイザルなどがあります。春になると服用する人が激増するので、「パリエットと併用してもいいかな」と気になることもあるでしょう。

 

実のところ、アレグラやザイザルなどの抗アレルギー薬は併用の注意点がそれほど多くはありません。まず併用禁忌はありませんし、併用注意にしても一部の抗生物質、中枢神経薬がある程度です。

 

そのため、パリエットなどのプロトンポンプ阻害薬については、併用しても問題ありません。

 

デパスなどとの併用

 

精神的に不安を抱えていたり、不眠症を持っている人の場合、睡眠薬や抗不安薬を服用している場合が多いでしょう。

 

デパス、レキソタン、ソラナックス、メイラックス、アモバン、ルネスタ、マイスリー、レンドルミンなど

 

↑に挙げたような向精神薬に関しては、パリエットなどのプロトンポンプ阻害薬との併用注意関係にはなっていないため、併用はOKとなっています。