パリエットの副作用には下痢や便秘などがある

知っておきたいパリエットの副作用とは

 

パリエットは胃潰瘍や逆流性食道炎の治療に使われる医薬品です。胃酸過多の症状改善に、強い効果を発揮しますが、副作用は少ないといわれています。ただし、まったく副作用がないわけではありません。

 

ここからは、服用するうえで気になる

 

・副作用はどんなものか
・なにを注意するべきか

 

という2点について、くわしく見ていきましょう。

 

パリエットに副作用がでるとしたら確率・頻度はどのくらい?

 

パリエットは承認の際、検査を実施していて、副作用があらわれる確率や頻度もある程度わかっています。

 

病例 副作用発生確率
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性食道逆流症など

12.1%

低用量アスピリンなどのNSAIDsが原因の胃潰瘍など

10.9%

ピロリ菌治療

40.3%

参考ページ:パリエット添付文書

 

上記の結果を見ると、副作用の確率は約10%~40%です。ピロリ菌治療だけ突出して数値が高い理由は、通常1日1回10mgを1日2回投与するためで、これは一般的には投与されない量であるからと予想されます。

 

「10%程度の確率で副作用がある」と聞くと少し高いように思えますが、これは重症と軽症のいずれも含まれる数値となります。たとえ副作用が出たとしても、重篤なケースはほとんどありません。つまり、副作用が出ても軽症のケースが多いのです。だからといって、副作用を軽視してはいけません。副作用が起こる事実は否定できないのですから、あらかじめ理解することが大切です。

 

目次

 

パリエットの副作用<便秘・下痢・吐き気>

 

パリエットの副作用として発生率が高いのは、消化器系です。

 

0.1~5%未満

0.1%未満

便秘(1.2%)、下痢(1.5%)、腹部膨満感

腹痛(胃痛)、苦み、消化不良、口内炎、胃もたれ、口渇、食欲不振、鼓腸、吐き気

 

なかでも下痢と便秘がもっとも多く、いずれの確率も1%程度ほどとなります。

 

はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、服用によって、まれに膠原繊維帯が厚くなることがあります。その結果、Na+とCl-の再吸収のさまたげとなり、下痢になってしまうのです。いっぽう、便秘になることもあります。便がたまることで、腹部の膨満感があらわれることもあります。

 

下痢であっても、便秘であっても、いずれも水分補給が大切です。下痢では、体内で失われた水分を補うために水分補給が必要です。便秘であっても、便をやわらかくする必要があるため水分補給が欠かせないのです。服用したら、便秘・下痢になる可能性もあると考え、こまめに水分を摂りましょう。また、副作用で口が渇くこともあります。とにかく、しっかりと水分を摂ることが、副作用の対策となることを覚えておいてください。

 

なお、確率はそう高くありませんが、副作用で吐き気や食欲不振などの体調不良がおこることがあります。こういった症状が出たら我慢せず、服用はやめましょう。

 

なお、「血便が出た」という報告もありますが、これはどちらかというとピロリ菌などの症状によるものと思われるので、早期の治療が必要でしょう。

 

パリエットの副作用<肝臓系>

 

肝臓にかんする数値が上がることがあります。

 

0.1~5%未満

0.1%未満

AST(GOT・1.1%)、ALT(GPT・1.5%)、AL-P、γ-GTPの上昇

LDH(0.9%)、AI-Pの上昇

 

医薬品は服用すると体内で分解されます。大きく分類すると、腎臓で分解されるか、肝臓で分解されるかの2つです。パリエットを服用することで、肝臓の数値が上がることがありますが、それは肝臓で分解される医薬品だからです。

 

指標名 基準値 基準値オーバーの場合
AST(GOT) 31IU/L以下 肝細胞の障害
ALT(GPT) 30IU/L以下 肝細胞の障害
AL-P 100~325IU/L 肝障害、胆道疾患
LDH 180~240IU/L 肝細胞の障害
γ-GTP 30IU/L以下 肝細胞の障害

 

上記の表は、それぞれの指標に対する数値を説明しているものですが、すべて酵素の数値です。一般的に酵素の数値が高すぎることは、酵素が血中に漏れていることを意味します。酵素が漏れているということは、肝細胞が障害によって、傷ついていると考えられます。ALT(GPT)の数値が上がる確率は1.5%、AST(GOT)の数値が上がる確率は1.1%となります。

 

注意しなければならないのは、もとから肝臓系の数値が高い人です。服用することで、さらに数値が上がれば、肝細胞の障害が出る確率も高くなってしまうからです。

 

肝臓系の病気には、肝炎やアルコール性脂肪肝、肝硬変などがありますが、これらの病気だと診断されたことがあるなら、服用しないほうが良いでしょう。また、健康診断などの検査で、肝臓系の数値が高めと指摘された場合も同様に、服用はやめましょう。

 

また、パリエットは肝臓で分解される薬であって、腎臓には影響しません。基本的には、たとえ腎機能障害があっても、服用は問題はありません。ただし、決められた範囲内の用量は守ってください。

 

パリエットの副作用<頭痛・眠気・うつ>

 

精神神経系の副作用として、頭痛や眠気がおこることがあります。

 

0.1~5%未満

0.1%未満

頭痛

めまい、ふらつき、眠気、倦怠感、しびれ

 

パリエットの精神系副作用があらわれる確率は、どちらかというと低いです。しかし、いくつか注意しなければならない症状があることを覚えておきましょう。はじめに注意したいのが眠気です。もし、車の運転や危険をともなう作業を行う予定があるなら、服用は控えましょう。運転中に眠気が出てしまった場合、事故をおこす可能性があるからです。さらに、不眠がおこることもあります。眠気と不眠、まったく真逆の症状ですが、どちらもおこりうるのです。

 

さらに、めまいや頭痛がおこる可能性もあります。発症する確率は低いですが、重くつらい症状でうつっぽくなるケースもあるので、別のプロトンポンプ阻害薬に切り替えることも検討してみましょう。

 

なお、副作用で眠くなったからといって、コーヒーを飲むのはおすすめできません。仕事中だからと眠気覚ましにカフェインを摂取すると、胃壁が刺激されて、かえって胃酸の分泌を増やしてしまいます。逆流性食道炎であるなら、カフェインは症状悪化のリスクがあるため、コーヒーなどのカフェインは控えましょう。

パリエットの副作用<その他>

 

ここまで、いくつかの副作用をあげましたが、ほかにもいくつか副作用があります。確率は、0.1~5%未満と低いですが、続けて見ていきましょう。

 

かゆみ・湿疹・蕁麻疹・貧血などの症状

 

0.1~5%未満

0.1%未満

発疹、かゆみ、貧血

蕁麻疹、微熱・発熱、脱毛

 

パリエットの副作用には、皮膚に症状がでるものもあります。なかでも代表的なのは、かゆみです。ときには、皮膚が赤くなったり(紅斑)、じんましんや湿疹がでるケースもあります。

 

原因はいくつかありますが、まずは光線過敏症が考えられます。太陽の光に皮膚がさらされることにより、発疹やかゆみがでる症状が光線過敏症です。もし、服用で光線過敏症になった場合は、すぐに服用を中止しなければなりません。

 

また、パリエット自体に、アレルギー反応を起こす場合もあります。この場合も、皮膚にかゆみなどの症状が出ることがあります。理由がなんであれ、副作用として皮膚に症状が出たのであれば服用は中止したほうが良いでしょう。

 

なお、血液系の副作用もわずかながら認められており、貧血などの症状が出ることがあります。また、味覚異常など感覚障害が出ることがあります。

 

ピロリ菌治療からおこるパリエットの副作用とは

 

パリエットはピロリ菌の除菌治療を目的として使うこともあります。ピロリ菌治療に使用する場合、10mgを1日2回、1週間服用します。通常1日あたり10mgまでと上限が決められていますが、ピロリ菌治療にかんしては、例外となります。

 

→ パリエットの用法・用量

 

パリエットの量が増えるということは、副作用のリスクも高まります。一般的な服用であらわれる副作用とは違った症状が出ることがあります。

 

5%以上

1~5%未満

軟便(10.2%)、下痢(18.3%)

味覚異常(4.9%)、腹部膨満感、発疹、かゆみ、動悸、AST・ALT等の上昇、めまい、白血球増多、貧血、尿たんぱく、尿酸値上昇など

 

これはパリエットをピロリ菌治療に使用した場合の副作用です。通常の副作用と比較して異なる点は、下痢・軟便になる確率がいっきに上がっていることです。通常服用での確率はおよそ1%でしたが、こちらは10~18%と急激な上昇が見られます。つまり、4人のうち1人程度が下痢や軟便の症状が出るということですから、かなりの高確率といえるでしょう。また、肝臓系の数値(AST・ALT)が上昇しやすくなります。

 

ほかにも、血液系の副作用があります。貧血や白血球増多は、通常の副作用ではあらわれることはそれほどありません。まれにですが、血液中の血小板が減少することもあります。薬剤性血小板減少症になると、出血しやすくなったり、血が止まりにくくなることがあります。

 

ピロリ菌治療での服用期間は1週間ほどです。もし、治療中に副作用が出たとしても、治療完了後までずっと副作用が続く可能性は低いでしょう。ただし、治療中の副作用については、ある程度腹をくくっておいたほうがいいでしょう。

 

長期服用・長期投与で注意しないといけない骨粗しょう症とは

 

プロトンポンプ阻害薬は、逆流性食道炎の治療に多く使われています。パリエットもそのひとつに含まれますが、特徴として長期服用になりやすいという欠点があります。

 

海外では、プロトンポンプ阻害薬を1年以上、高用量投与された患者は、骨折するリスクが高まるという研究結果があります。長期にわたる投与で、脊椎や股関節などの骨折をする事象も報告されていますし、骨粗しょう症になる危険性も高くなるといわれています。

 

ここまで紹介してきた副作用は、長期服用を想定したものではありません。長期服用では、副作用の確率が上がると考えられています。たしかに逆流性食道炎などの治療に効果的です。しかし、そうなる原因を作ったのが、食生活や生活習慣の乱れであるなら、長期服用したからといって治療は終わりません。病気を作った要因を解消するための努力も必要となるのです。

 

パリエットのジェネリックの副作用は?

 

ジェネリック医薬品とは、特許がきれたあとに発売される同じ薬成分の後発薬のことをいいます。もちろんパリエットにもジェネリックがあり、成分も変わりません。つまり、副作用の症状・確率も同じといえます。

 

もし、ジェネリックを服用して、副作用が出たなら、対処方法は先発品と同じと考えればいいでしょう。

 

発売されたのは1992年ですから、20年の特許期間はすでに切れています。そのため、各製薬会社がジェネリックを販売しています。ジェネリックを販売する会社ごとに、商品名も違いますが、成分に違いはないので、副作用の症状・確率も同じです。

 

なお、OD錠も存在しています。これは口の中ですぐ溶ける口腔内崩壊錠ですが、薬成分の量はカプセルと変わりません。副作用の特徴などについては、カプセルのものを参考にするといいでしょう。

 

副作用のまとめ

 

すべて合わせた副作用の確率は15%程度になります。これはおよそ6人に1人の割合であり、この数値を高いと感じる人は多いかもしれません。しかし、重篤なケースのほうが少なく、残りの多くはそれほど深刻ではありません。副作用を心配しすぎる必要はありませんが、ある程度の確率で副作用がおこることを理解しておきましょう。

 

なお、パリエットの副作用について、とくに注意が必要なのは

 

  1. 高齢者
  2. 子ども
  3. 肝障害がある人

 

です。とりわけ、体の機能が低下している高齢者は、若い人より抵抗力がありません。副作用に対して慎重に考えて、敏感に対応したほうが良いでしょう。服用からくる体調不良があった場合は、しっかりと医者の診察を受けることも大事です。その際に、パリエットを服用中であることを、忘れずに伝えましょう。

 

副作用について深く知るほど、こわいと思う気持ちが生じるかもしれません。しかし、パリエットのプロトンポンプ阻害作用は強く、逆流性食道炎などの治療に頻繁に使われています。つらい症状に悩む患者さんにとって、しっかりと効果が期待できる医薬品なのです。使用するなら、効果と副作用の調和をきちんと保つことが大切です。

 

↓こちらのページでは、パリエットの効果をくわしく紹介しています。ぜひ確認してみてください。

 

パリエットの胃潰瘍・逆流性食道炎に対する効果とは